ホストに恋して破滅した私ですが、高級キャバ嬢になってイケメンオーナーから愛されています。
☆☆☆

夜の10時になると周りの子たちは1度は氏名を受けて戻ってきていた。
だけど日奈子は相変わらず立ち尽くしている。

11月の夜10時の橋の上は冷え込んで、立っているだけでもしんどい。
早く温かいホテルに入ってシャワーを浴びたいと思うのだけれど、男が捕まらないとそれもできない。

もう、今日は諦めて帰ろうか……。
都内は急速に冷え込んできて今夜は今年始めての雪になるかもしれないとニュース番組で言っていた。

このまま橋の上で立っていると風邪を引いてしまいそうだ。
「あ~あ、ダメだったかぁ」

少しでもお金になればと思っていたのだけれど、今日は不発だった。
諦めて帰ろうとした、そのときだった。

「ねぇ、あんた」
冷たい声が聞こえてきて日奈子は足を止めた。
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