ホストに恋して破滅した私ですが、高級キャバ嬢になってイケメンオーナーから愛されています。
それだけで日奈子の心は罪悪感から開放される。
自分の好きな人が他の誰かと関係を持っていると考えるだけで、やっぱりいい気はしない。

カズが誰か他の女性と。
なんて、絶対に考えたくなくて日奈子は頭から熱いシャワーを浴びた。

湯気で曇った浴室内の姿見で自分の体を見ていると、ふと肋骨が浮き出していることに気がついた。
横になれば肉が流れて骨が浮くけれど、立っている状態でこんなにくっきりと骨が浮き上がっているのは始めてだった。

驚いて煙ガラスに水を当てて見やすくしてみる。
すると自分が思っていた以上に貧相な体がそこにあった。

ホストにハマる前まではあったはずのバストも、今は膨らみかけた子供ほどしかない。
一番びっくりしたのは自分の顔だった。

毎日メークしていて見ているはずなのに、マジマジと確認してみると頬がこけてしまっている。
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