ホストに恋して破滅した私ですが、高級キャバ嬢になってイケメンオーナーから愛されています。
☆☆☆

男から３万円を受け取った日奈子は先に外へ出てぼんやりと歩いていた。
さっき見た自分の姿が脳裏にこびりついて離れない。

ちゃんとした食生活に戻せばきっと肉付きも良くなるのだろうけれど、なんだかそんな気力も湧いてこない。
すべてのやる気がなくなっていく感じがする。

ぼんやりとあてもなく歩いていると、いつもの調子でホスト街まで来てしまった。
日奈子は自分に呆れながら踵を返してアパートへと向かおうとする。

けれどそのとき、ホスト店から見慣れた顔が出てきてつい足を止めていた。
咄嗟に電信柱の陰に隠れて様子を伺う。

カズが若い女性客をお見送りしているとことだ。
カズはいつも日奈子にするように女性客の頭をなで、そして頬にキスをした。

女性客は嬉しそうに頬を赤らめ、カズとまた会う約束をして帰っていく。
その足取りはとても軽い。

そしてその気持は日奈子にも痛いほどよく理解できた。
ホスト店から出てきた女性たちはみんな恋によっているような顔をしている。
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