ホストに恋して破滅した私ですが、高級キャバ嬢になってイケメンオーナーから愛されています。
過去形して言うということは、今は仲が悪くなってしまったんだろうか。

「でもね、その妹さんが20歳の頃にホストにハマちゃって。相手のホストもお金持ちの令嬢だってわかると手放すわけにはいかないでしょう? それで、ついにシてのホストと一緒にどこかへ消えちゃったのよ」

「消えた?」
「おそらく駆け落ちだろうってみんな言ってる。ホストと令嬢の恋なんて誰もが反対するだろうから。それから光はこの店を作ることにしたんだって。誰もが楽しんで飲めて、だけど絶対にその人生を狂わすことのないキャバクラ店。光はそんなお店を目指してるみたい」

絶対に人生を狂わすことのないキャバクラ店……。
その言葉はヒナの胸に突き刺さる。

ホストによって身をほろぼしかけたヒナには痛い言葉だった。
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