ホストに恋して破滅した私ですが、高級キャバ嬢になってイケメンオーナーから愛されています。
日奈子はメニューの中で一番軽く食べられそうな温野菜を注文した。
「それだけでいいのか?」

小皿に乗せられてきた温野菜を見て光が顔をしかめる。
「今はまだ、これだけで」

そう答えて野菜を口に運ぶと、素材の甘味が口いっぱいに広がっていく。
柔らかくとろけていく野菜に思わず「美味しい」と、本音が漏れた。

ホストに通い始めてからろくな食事を取っていなかったから、なにを食べてもおいしく感じられる。
日奈子の箸は止まらなかった。
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