財閥御曹司は左遷された彼女を秘めた愛で取り戻す
目の前で大きな手が私を遮った。
「そうじゃない。そんなことを聞きたいんじゃない……」
「じゃあ、なんです?そうだ、昨日と今日は驚きました。笑顔を何回も見たからです。笑顔とても素敵ですよ。元々イケメンだから二倍増しで格好よくなります。私のメンタルのためにもこれからは笑ってくださいね」
「その台詞お前にそっくり返す。お前、昔秘書室であまり笑わなかっただろ」
「……そうですね」
私の顔が曇ったのを見て、彼は話題を変えてきた。
「香月。お前の趣味は?」
「何ですそれ、お見合いみたい……趣味ですか?普通ですよ。アプリでドラマや映画を見たり……」
「好きなものは何だ?」