財閥御曹司は左遷された彼女を秘めた愛で取り戻す
「可愛いものと綺麗なもの。動物と花が好き」
「なるほどな……」
「崇さんは?」
「俺は、時間があればゲームとかしている。そうだ、どうしてもお前にひとつだけ聞いておきたいことがある。秘書課の斉藤とは別れたのか?」
私の手が止まった。誰に聞いたの?帰国してすぐこちらに来たのに、聞く暇なんてなかったはず。
「……もう別れました。ここへ来る前です」
「専務のことがきっかけか?アイツそういうタイプだろ。親父の秘書を新藤さんから引き継ぎたいと声をかけてきたそうだ。親父はあいつに引き継ぎをさせる気はさらさらないがね」
「別れたのは、専務のことはきっかけにしか過ぎないです。別れる理由がようやく出来て、彼はほっとしたんだと思います」
「なんだ、それ?」