財閥御曹司は左遷された彼女を秘めた愛で取り戻す
「え?」
「まあ、お前も俺と一緒で笑わないクール同士だと思ってたのに、お前だけ幸せになってさ……」
「なんだ……それなら、崇さんも縁談を受けちゃったら、はあ、良かったのに……。お相手は美人らって聞きましたよ。なんでふったの?もったいないれすね」
「俺は好きな奴じゃないと結婚は絶対嫌だ」
「お付き合いしてみたら好きになるかもしれないれすよ?」
「ならないね……俺にはもう……いるんだよ」
「何がいるんれすか?……」
酔いが回ってきた。夕べは御曹司秘書のはなしもあって、心配で眠れなかったのだ。寝不足なのだ。
お酒がいつも以上に回ってしまった。グラスを持ち上げた私の手を御曹司がつかんだ。