財閥御曹司は左遷された彼女を秘めた愛で取り戻す
次に気づいた時はすごく寝心地のいいスプリングが効いたベッドの感触だった。
うーん、うちのベッドより広い気がする。
腕を伸ばしたけど、ぬいぐるみのペンちゃんがいない。おかしいな?
しかも香りがする。これってどっかで嗅いだことがある。何だったっけ?
ギシッとベッドの音がして、気配がする。うん?なんかおかしいな……。
頬に温かいものがチュッと音を立てた。え?
うっすらと目を開ける。誰?え?ここどこ?
「……えっと……ここどこ?」
周りを見る。すると、目の前のイケメンがこちらを甘い目で見ている。えっと誰だっけ?
「……大丈夫か?」
聞き慣れた声を判別した私は、びっくりして飛び起きた。