財閥御曹司は左遷された彼女を秘めた愛で取り戻す

 うそ、うそ、た、崇さん?この香りの人って崇さんじゃない?ということは……。私は自分の服を確認した。

「あー、よかった……」

 服は一緒だった。

「……ぷっ。くく……」

 崇さんが私を見て笑ってる。もう、何なの。そうじゃない、ここってもしかしなくても崇さんが泊まってるホテル?

「……あ、あの、あの私、すみませんでした……」

 するりと彼の手が私の頬を撫でた。びっくりして、身体を引いてしまい、バランスを崩してまた後ろにひっくり返った。

「……あはは」

「もう、いやだ……」

「ほら、水飲めよ」
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