財閥御曹司は左遷された彼女を秘めた愛で取り戻す
耳元で言われて目をつむった瞬間、もう一度キチンとしたキスが落ちてきた。一回、二回目は押しつけるように……。
「……ん、はあ……」
声が出てしまった。私の目を見た彼は、ゴクリと喉の音を立てた。
「その目は反則だ」
そう言うと、私の背中を逆の手で引き寄せて三回目のキスをした。油断して一瞬息をするために口を開けたら彼の侵入を許してしまった。
「ん、ん……」
ああ、気持ちいい。とろけてしまいそうになった。この人、絶対キスが上手なんだと思う。酔いも手伝って、理性が飛んだ。彼に身体を預けて止まらなくなってしまった。彼の服をぎゅっとつかんだ。
「ん、ああ……」
私の色がついた目を、彼はじっと見て嬉しそうに言った。