財閥御曹司は左遷された彼女を秘めた愛で取り戻す

「もっとキスが欲しいのか?いくらでもやるが、でもこれだけじゃ終われないぞ」

 彼が私をベッドに横たえた。そしてもう一度深いキスをする。彼の手が私の服の上を走り出した。

「ん、ん……」

 キスが首元へ移り、彼の手が私のブラウスのボタンを外す。

「菜々……」

 彼が私の名前を呼んだ瞬間、我に返った。ビクッとした。

「……あ、私……」

 彼は私の様子に気づいて、身体を起こした。そして私の頭を優しく撫でたあと、外したブラウスのボタンふたつをはめ直してくれた。

「危ないところだった……さすがの俺もこれ以上進んだら止まれない。さてと、あとはゆっくり寝ろ」
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