財閥御曹司は左遷された彼女を秘めた愛で取り戻す
捜索~崇side2
「辰巳。お前、玖生の秘書と親しいよな?」
俺は父の部屋の横の秘書室を覗いて、辰巳を呼んだ。今日は新藤も来ているから、少しくらい借りても大丈夫そうだ。助かった。
「はい、もちろんです」
「ちょっと話がある。こっちへ来い。新藤悪いな、辰巳を借りる」
すると新藤が、眼鏡をあげてこちらを見た。
「元々、崇さんの秘書です。彼はどちらかと言えばそっちがいいんですよ。私には絞られて疲れてますから、遠慮なくそちらにどうぞ」
「……新藤さん!」
辰巳が青くなってる。面白い。いや、そんなこと言ってる場合じゃない。
ふたりで俺の部屋へ移った。香月は秘書室へ招待状を探しに行くと先ほど出て行った。