財閥御曹司は左遷された彼女を秘めた愛で取り戻す

「……どうしますか、崇さん」

「ああ、あさって決着をつけるつもりだったが、あっちから先に手を出してきた。馬鹿だな」

「え?」

 俺は辰巳を見て言った。辰巳はびっくりしている。

「ああ、お前の考えているとおりだ」

「……」

「父に話してきちんとするつもりだった。そうすれば黒沢達のことも片付けられた。俺はなぜだかいつもタイミングが悪いな」

「……そうですね。前も斉藤に……」

 ジロッと睨んだら、静かになった。
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