財閥御曹司は左遷された彼女を秘めた愛で取り戻す

決着

 
 秘書室で自分の机周りなどをしゃがみ込んで捜していた私に、真紀が声をかけてきた。

「どうしたの菜々?」

「招待状がなくなってしまって、実は捜しているの」

「ええ!?ここでなくしたの?菜々はほとんどこっちにいないじゃない」

「うん、あっちはもう結構捜したんだけど見つからなくて。もしかしてここで落としたのかもしれないと思って……」

 すると、目の前の席に戻ってきた黒沢さんが私に言った。

「招待状ってどこからのどういうものがないの?一緒に捜すわ」

「あ、いいえ……大丈夫です」

「大丈夫じゃないでしょ?あなたがなくしたのは崇さん宛のものなんじゃないの?だとしたら榊原の一大事よ」
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