財閥御曹司は左遷された彼女を秘めた愛で取り戻す

「うん。そうなんだけどね、なければないでなんとかするって崇さんが言うんだけど、そうもいかないから捜しているの」

 すると黒沢さんが言った。

「そうだわ、崇さんは父と一緒に行きましょう。そうしたら父と私であちらに説明するわ」

「……いや、大丈夫だ」

 振り向くとそこには崇さんが立っていた。隣に辰巳さんもいる。

「黒沢さん、ちょっといいかい?話があるんだ」

 辰巳さんが彼女に声をかけた。そして、彼女をつれて打ち合わせ室へ入っていった。

「皆に心配かけたようだが、招待状の件は大丈夫だ。自分の仕事に戻ってくれ。香月戻るぞ」

 皆びっくりして崇さんを見ている。私は急いで彼について部屋を出た。自分の部屋へ戻った彼は、自分の席に座ると私を見て言った。
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