財閥御曹司は左遷された彼女を秘めた愛で取り戻す

「いや。彼女の父親の招待状は銀行本店にあったよ。それも調べたんだ。つまり、頭取秘書が持っているんだ」

「……!」

「言いたいことがわかったか?彼女がお前のところからどうやって招待状を手に入れたのかがわからない。お前が落として彼女が拾ったとしても普通なら届けるだろう。そうじゃないということは盗んだんだよ。最初から仕組んでいた可能性がある」

「そんな馬鹿な!?なんのためにそんなことをするんですか?」

「……わからないのか?お前を陥れるためだろ」

「そんな……そんなことのために崇さんまで巻き込んでやりますか?信じられない……」

「清家のパーティーがあることを父親から聞いていて、俺が招待されると知っていたのかもしれない。それで狙っていたんだろう。相手が大きいところならお前に与えるダメージも大きくなる」

「まだ、本当かわかりません。本人に聞いてみないと……大体、机の鍵はスペアがありません。スペアは秘書課長が金庫に……まさか、課長が貸したんですか?」
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