財閥御曹司は左遷された彼女を秘めた愛で取り戻す
告白
清家財閥の船上パーティの日。
着替え、メイクなど準備が間に合うよう、三時過ぎにはふたりで本部を出た。
私が衣装部屋でドレスをどれにしようかと迷っていたら、担当の女性スタイリストが現れて、あなたのものは彼が予約済みだと伝えてきた。
「一週間前に急にこちらへお見えになって、お嬢さんのスリーサイズを大体って言いながら、こういう感じのドレスはないかってブランドも指定されて具体的にお聞きになるの。それで何点かお出ししたらこれがいい、髪型は、髪飾りはこんな感じにしてくれとおっしゃるのよ。あなたが選ぶのは靴くらいかしらね。靴はさすがに履いてみないとわからないからっておっしゃっていたわ」
目の前には裾がマーメイドになっているパールホワイトの絹のロングドレス。デコルテ部分が広く開いている。胸元から腰回りまで渦巻きのようにシフォンの薄いパープルフリルがふんだんにあしらわれている。肩口にもフリルがふんわりと広がり、肩から肘の辺りが見え隠れしている。
「ステキでしょ。彼のセンスはすごいわ。さあ、着替えて。髪型も決まっているからあっという間よ」