財閥御曹司は左遷された彼女を秘めた愛で取り戻す
「あ……ん……」
「綺麗だ。本当に……好きだよ菜々。ずっと側にいて欲しい」
満点の星の下、彼はまた私を抱き寄せた。
そのまま、手を引かれて船室へ戻った。他の船室とはフロアが違う。驚くほど素晴らしい部屋だった。玖生さんが言っていただけのことはある。特別室だろう。
「菜々を口説き落とすために玖生へ頼んであったんだ。この間のスイートに負けないくらいのいい部屋だろ?この間のホテルではお預けされたが、今日は……全部くれるか?最初は……思い出に残る場所でしたかったんだ」
私は彼を見てうなずいた。嬉しい。全て私のためにしてくれたことだと思うだけで幸せだった。
「ありがとう。この服を脱がせるのは俺の役目だ」
そう言って、彼は私の後に立ち、ドレスのボタンを外した。そしてうなじに口づけながら、ドレスを肩から落とした。
下着姿になった私が恥ずかしそうにしているのを見て、キスを軽くおとした。徐々に、髪飾り、靴を脱がせていく。