財閥御曹司は左遷された彼女を秘めた愛で取り戻す

「おい、何かあれば相談に乗るぞ。無理すんなよ」

「うん。ありがと」

 四階の人達にも空気感が伝わっている。

 武田君が耳にするくらい、日傘専務が大変な状況なんだとわかってきた。

 最近は他の役員が全然訪ねてこない。日傘専務も訪ねていかない。

 自分から何とかしようという気持ちもないんだろう。

 専務は辞めるつもりなんだろうと最近見ていて思う。

 このままだと私はどうなるの?

 他の人の秘書をするためにここへ残るなんてまっぴらだと思った。

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