財閥御曹司は左遷された彼女を秘めた愛で取り戻す
崇さんは私の顔をのぞき込み、身体を支えて座らせた。
ぐったりと背もたれに身体を預けている私に、彼は水を持ってきてくれた。
「ありがとう」
「少し横になるか?」
「ううん。大丈夫よ。ごめんなさい……」
彼は私をそっと抱きしめると頭を撫でた。
「こんなにショックを受けるとは思わなくて……俺は本当に馬鹿だな。黙っていればよかった。菜々を苦しめてしまった」
「そこまでは想像してなかった。同期だから仲がいいんだろうと思ってたの。本当に……私って馬鹿……」