財閥御曹司は左遷された彼女を秘めた愛で取り戻す
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「崇君。君の場合はまだまだ色々問題が山積みだよ。いくら彼女が心配でも、まずは彼女を秘書にできるように努力すべきだ」
「どうしてですか?そんなこと言ってるから香月はあんな奴と……」
「まあね、でもあの斉藤君とは長続きはしないね。僕は毎日香月さんを見ているから色々わかるんだ。焦らなくてもそう遠くないうちに破局する」
「どういう意味です?付き合いはじめた頃、ほとんど笑わなかった彼女が笑ってましたよね」
「彼女が目を覚ませば……夢から覚めればすぐに気がつくだろう。それにね、君が外へ出るタイミングでおそらくこの財閥も動きがある」
「え?」
「そうだ、これだけは約束する。海外から戻ったら、彼女を君の秘書に譲ろう」