財閥御曹司は左遷された彼女を秘めた愛で取り戻す
「専務のことはある程度予測していたみたいだし、何もするなと言い残されていたらしいの。縁談は専務のこととは別問題だと思うな」
「やっぱりさ、どんな美人女性相手にも基本無愛想だし、辰巳さんとラブい噂あったじゃない。あっち方面だという噂は本当だったりして。辰巳さんを秘書から外して同棲するとか?」
相変わらず秘書室って馬鹿な噂であふれかえっているんだね。聞いていて呆れる。
私は辰巳さんを知っているからそれはない。彼は大学時代から片想いしている某会社の女性社長がいるのだ。
彼女は大学時代のサークルが一緒だったので私もよく知っている。
彼女は女社長だし、仕事が大好きでとても忙しい。そして、忙しいのは辰巳さんも一緒。
彼と飲むと彼女とどうすればいいとかそんな話ばかりで大変なのだ。
「だから、それはない。前も話したでしょ」
「辰巳さんはそうでも、崇さんはそうじゃないかもしれないじゃん」
あああ、何言ってんだよ、もう。どうでもいい。