財閥御曹司は左遷された彼女を秘めた愛で取り戻す

「まあ、いいじゃない。とにかく、彼が今回のプロジェクト後に昇格したら、元々部長の秘書だったんだからやればいいんじゃない?支社長には私から言っておく。今まで難波さんに助けてもらったお礼よ」

 すると、難波さんが私に抱きついた。

「うれしいです。でも、坂本課長は香月さんの事……」

「私、坂本君とは仲がいいけどタダの同期よ。それに、本部へこのまま戻ると恋愛なんてしてる時間は皆無になる」

「香月さん、もしかして御曹司の秘書になるんですか?前は専務理事の秘書だったって噂が……」

「そうね。みんな気を遣って何も言わないでくれたけど、色々あってね」

「でも支社長の秘書は?」

「元は佳奈美さんだったのに、私が来てから、無理矢理私にされたの。絶対佳奈美さんに戻してもらう」

 私が言い切ったら、難波さんが拍手してる。
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