どんな世界でも君と。
その男性は
ニコリと笑ってこちらを見る。


その顔に不覚にもドキッとした。



「初めて会った気がしないね
君のお名前は?」



「鬼頭 雅です。」



「俺は芦屋蓮。
これからよろしくね同じ患者同士」



そう言って差し出された手を
私はギュッと握った。



この感触…
懐かしいな。


どこであったのか…。



「私、この一年半眠ってたんですけど…
長い夢を見ていた気がするんです」



リハビリ室にある
椅子に2人腰かけ話をすることにした。



「俺も。とっても長い夢を見ていた気がする。
内容は…覚えてないんだけどね」



「私もなんです…。
夢ってそういうもの…なんですかね。」



その夢の中で
私は大切な何かを…。
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