苦い初恋が甘い初恋に

5.どう接していいのか誰か教えて

その男の子というのが、
今目の前に座っている斉藤涼(さいとうりょう)。

「あ、えっと。久しぶり。」
斉藤くんはバツが悪そうに言った。
「あ、うん、久しぶり。」
私も同じように返した。

「何?二人知り合い?どういう関係?」
他の6人が興味深々に聞いてきた。

『まあ、そうなるわな』
私が口を開こうとすると、
「小中学校が一緒だったんだ。
こんなところで会うなんてびっくりしてさ。」
と斉藤くんが言ってくれた。

「そうなんだ!すごい偶然じゃん。
もしかして、運命がそうさせたとか・・・?」
笑いながら一人の男性が言った。

私は内心ドキっとした。
でも、私と斉藤くんは絶対にあり得ない。
私は愛想笑いをした。

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