苦い初恋が甘い初恋に

6.学年1の人気者だった

「ここなさん」
小笠原くんが私の名前を突然呼んだ。

『ここなさん?まあ、いいや』

「はい。」
私は小笠原さんの方を向いて返事をした。

「あ、先輩。場所変わってください。」
そう言って、斉藤くんと小笠原くんは席を変わった。

そして
「先輩の小中学生の時ってどんなんだったんですか?」
と、質問してきた。
「おいっ。」
と斉藤くんは怒ったが、酔っているのか振り切って
「いいじゃないですか。教えてくださいよ。」
と斉藤くんを完全に無視していた。

『いや、気まずい。私の初恋の相手だぞ。
いい印象しか残ってないに決まってるじゃん。』

「えーっと、どんなだったかな?
 とりあえず、誰にでも優しかったよ。」
私が言うと
「わかります。今もみんなに優しいんですよ。」
と小笠原くんが斉藤くんに向かって目をハートにさせながら言った。

『おい、斉藤くんが好きなのか?』
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