苦い初恋が甘い初恋に

1.幼少期

私は柴田心菜(しばたここな)。26歳。
仕事は総合病院で病棟看護師をしている。
もちろん夜勤もやっているし、休日出勤だってしている。
就職した時から実家を出て一人暮らしをしている。

彼氏は3カ月前まではいたけど、浮気されたから別れることにした。
特に未練もなく、あっさりと。

私の幼少期は、どちらかというと貧乏な家庭だった。
父と母と姉の4人で2Kのボロ借家。
2部屋の間に扉はなく、カーテンで仕切られていた。
父が短大を卒業する前に、母が妊娠をして、
就職してすぐに姉を出産したとのことだ。
父母共に21歳の時だったらしい。

父は勘当同然だったようで、
母の実家で暮らしていたようだが、
父の親に「戻ってこい」と言われ、
一緒に住むのは嫌だったから、父の実家の近くの借家に住んだってわけらしい。

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