苦い初恋が甘い初恋に
「え!でも、バレンタインのとき、振ったじゃん。だから、他に好きな人いるんだろうなぁって!」
私はバレンタインの告白について話した。

「中1だよ。
付き合うとかよくわかんなかったから、
そういう意味で言った。」
斎藤くんの当時の想いを、
10年越しに知ることができた。

「なんか、
お互い行き違いばかりだったんだね。
ちゃんと話せてれば、違ったのかな?
でもあの頃の私には精一杯だったもんなぁ。」
私がしみじみ言うと、
「心菜が傷ついてるのに、逃げたのは
本当に申し訳なかった。
 でも俺もバカだからどうしていいかわからなかったよ。」
斎藤くんもしんみりしていた。
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