高遠先生は風紀を乱せない~アイドル教師の恋の罠~
「 礼奈ちゃん 」
「 え? 」
「 そう、礼奈ちゃんって言うんだよ。本当に居るから 」
「 ・・・・え 」
突然名前を呼ばれて顔を上げたけど
北城先生は電話に夢中の様子だ。
うそ・・・・私と、同じ名前の人と付き合ってるの?
こんなことってある?
気持ちをぶつけてもないのに失恋して・・・・
「 あぁ、理系のクラスだとあんまり接点がないのかな。
礼奈ちゃん。高遠礼奈先生のことだよ 」
「 ・・・・? 」
理系のクラスと接点のない・・・高遠礼奈・・・って・・・・
「 バカなこと言ってないでさっさと受験勉強しな。
もう来月入試でしょ。切るよ 」
北城先生は冷たくそう言って電話を切ると
はぁ、と小さくため息を吐いた。
「 ごめんね、お待たせ 」
今のこの状況も、電話で話してた内容も、
全くついていけずオドオドした私に
振り向いた北城先生は優しく笑いかけてくれた。