高遠先生は風紀を乱せない~アイドル教師の恋の罠~


「 いい加減、退()いてくれませんか 」

「 その前に質問に答えなさいよ!
  北城と付き合ってるって本当なの? 」


ドンッと肩を押されて、下駄箱に背中が当たる。
・・・・・これは、長引きそう。


あぁ、苦手だ。
気の強い女の人も、揉め事も。
だけど生徒指導を担当しているとこういうタイプの子と話す機会が多くある。


こういうときは押しに負けちゃダメ。




「 3年5組の岩井(いわい)早紀(さき)さん。
  ここは職員用の玄関で、あなたたち生徒の玄関は向こうです。
  くだらないこと言っていないで、さっさと退きなさい 」

「 くだらないことなんかじゃない!!!!!
  答えるまで退かないから!!!! 」


学校の用務員さんを除いて、私は出勤が早い方だ。
これだけ甲高い声で騒ぎ立てられても、今の時間帯は
まだ誰も出勤していないし、生徒も来ていない。

おかげで騒ぎにはならないけど、長引かせるのはマズい。


< 19 / 23 >

この作品をシェア

pagetop