高遠先生は風紀を乱せない~アイドル教師の恋の罠~
「 そ、それ、まるっきり北城くんじゃ・・・ 」
しつこく私に恋愛系の話を振っていた宮間先生が
ボソッと呟いて気まずそうに口元を手で覆った。
「 いや、違うでしょ 」
「 いや、お前嫌われてんだよ 」
「 違うでしょ。あくまでそういう人が苦手であって
俺とは言ってないでしょ 」
「 だから、お前みたいなタイプが苦手なんだから
お前も苦手なんだよ 」
それに反論する北城先生と、佐久間先生のやり取りに
周りはすぐに笑いが起きて場が和んだ。
そんな中、私の内心は気まずさで凍てついていた。
・・・・私、思ってるより酔いが回ってるのかも。
「 ちょっと失礼します 」
ケラケラ笑い声が響くなか、そっと襖を開けて部屋から出た。
靴に足を入れながら、頭を抱える。
~~~~~ッあぶなかった!!!!!
みんなきっと苦手なタイプだと思ってるよね?
苦手な空気、苦手な話題、私に突き刺さる視線も苦手。
ヤケになって飲み続けていたお酒のせいで思考がうまく働かず
口から出たのは全て北城先生のことだった。