アイドルの妹だからってイジメないで
家族の前でも、ルンルン笑顔で私にベタベタベタ。
私のほっぺに自分のほほをこすり合わせ、ニマニマ二マ。
優しさのカタマリみたいな、お母さんだったんだけど。
二人になったとたん、180度別人格に。
「アヤもネオンも自分の部屋に入ったわね。虹湖、離れてちょうだい!」
良いお母さん風笑顔は消え去り
「私にはアヤとネオンさえいればいいの。歌もダンスもへたくそな虹湖なんて、自分の子供だって思えないんだから!」
私をにらみつける目は冷酷きわまりなくて。
いつも私は、悲しみと恐怖でビクついてばかりいたんだ。
幼稚園児の小さい脳みそでも、ちゃんと理解はしていたよ。
お母さんは私のことが、大嫌いなんだって。
二人だけの時は、私のことを抱きしめてはくれないし。
笑顔すら浮かべず、ずーっとイライラなムスッと状態だったから。