憧れの街で凄腕脳外科医の契約妻になりました。
仁田先生も柳先生も良い人達だ。きっと、祝福してくれる。
先にお寿司屋さんに車で移動した私と和登さん。
四人席テーブルへ座り、和登さんと一緒にお寿司を食べながら仁田先生達を待つ。お寿司はどれも凄く新鮮でとても美味しかった。
一時間ほど経ってから柳先生と仁田先生がやってきた。
「お疲れ様でーす!」
ノリノリな仁田先生と、疲れきっている柳先生。私は二人に向かって「来ていただいてありがとうございます」と、頭を下げた。
私の前に仁田先生、和登さんの前に柳先生が腰掛ける。
「いつものおまかせで大丈夫です! ね、柳先生!」
メニュー表を見ずに決めてしまった仁田先生に、柳先生はウンウンと疲れた様子で頷いた。
「先生達、疲れている中足を運んでいただきありがとうございます」
お礼の言葉を口にすると、仁田先生は「うんうん!」と言いながら私の左指に視線を向けていた。
「亜矢ちゃん、これ結婚指輪!?」
「――はい……!」
「あっ、そうだった! ご結婚おめでとうございます!」
仁田先生は私の薬指を手に取るなり、お祝いの言葉をくれた。「随分シンプルだね」と、羽倉先生に『何ケチってんだよ、コラ』と、舌打ちをしていた。