憧れの街で凄腕脳外科医の契約妻になりました。


 和登さんから言われた言葉は意外なものだった。

 てっきり、『和登さんのことが好きだと思う』と言ったら『そんなわけない』と言われるのかと思っていた。

 和登さんはモテすぎて女性のそういう態度を一瞬にして見抜けるんだと思う。そう思うと、和登さんの心情が少し気の毒にも思える。

「でも、和登さん、お義父さんはそういうつもりで言っていないかもしれないですよ」

 それとなくお義父さんを庇ってみるも、「でも俺の母親はあんなんだったろ」と、反論されてしまった。





 不動産の車でノースエリアまで移動した私達は、数件の物件のうち、少し小さめの物件へやってきた。

 外から見える外観は真っ白でお洒落な造りとなっていた。屋根付きの駐車スペースは大きめな車を二台ほど納車できる。門の中へ入ると、中庭が少しと、大きめな樹木も植わっていた。

 二階建ての広々とした綺麗な一軒家がとても輝いて見える。十分すぎるお家だ。


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