憧れの街で凄腕脳外科医の契約妻になりました。
赤間さんに「少し待ってて」と言い、私の腕を引く和登さん。赤間さんには少しの間だけ門にいてもらい、和登さんと二人だけで家の中へ入った。
「そんなに台数は多くないから」と、隠しカメラの場所を私に教え始めた和登さん。多くはないと教えてくれたものの、6台ほど設置されていた。
「俺達の寝室と各箇所のトイレとお風呂は設置してないから。亜矢、スマホ貸して」
「はい!」
スマホを差し出すと、和登さんは私のスマホをイジりはじめた。スマホの中身は特別怪しいものはないけれど、こんなに目の前で堂々とチェックされたらドキドキしてしまう。
「はい。このアプリ開いてみて」
和登さんから言われた通りアプリを開く。カメラの番号と共に各場所ごとの映像が見れるようになっていた。
「こんな風にすぐに確認できるから。亜矢も、もし出先で不安になるようなことがあったら確認してね。俺は赤間さんを信用してないから、仕事の時は合間にチェックするつもり」
どこまでも心配性な和登さん。少しだけ笑ってしまった。