憧れの街で凄腕脳外科医の契約妻になりました。
私の部屋は何故か和登さんの部屋より広く、隅にはアパートから引越し業者に頼んだ私の荷物が置かれていた。
私の部屋には新しく白いふわふわとした絨毯にテーブルとソファー、一人用のシングルベッドが置かれていた。陽当りもとてもよく、高そうな空気清浄機と造り物のお花が飾ってあった。
和登さんが私のためを思って置いてくれたと思うと嬉しかった。
一方、私のすぐ真横の部屋は和登さんの部屋になっていて、ホテルにいた頃同様全然物がない。本当に必要最低限の物しか置かれていない。
本棚には医学書の本がずらりと置かれてあって、部屋というよりは仕事部屋といった感じだった。
寝室は大きいベッドが部屋の真ん中に置かれていて、とても寝やすそうだ。寝室には私の部屋にあった物より大きめの空気清浄機が備え付けられていた。
家の中に入った時に思ったけれど、リビングにも大型の液晶テレビや大きいソファーが設置されており頭が上がらない。
「どう? 気に入ってくれた?」
「はい、とても気に入りました」
「ありがとうございます」と微笑むと、和登さんは私の頭を優しく撫でた。
「くそー、赤間さんめ。俺に禁欲要求しやがって。でも、確かに赤間さんの言う通りなんだよな……今日から毎晩、亜矢を抱く気満々だったのに……ごめん」