憧れの街で凄腕脳外科医の契約妻になりました。
「でも、そのお金は赤間さんのお母さんにって……」
「羽倉家で頂いたお給料を母にお渡ししましたので、母も、もう金銭面には困ることはないと思います。ご心配くださりありがとうございます」
赤間さんは本当に私についてくる気らしい。
「けれど和登さんが一人に……」
「知りませんよ。私、最初に追い返されたことまだ根に持っていますし、今も思い出しては腸が煮え繰り返りそうです。和登様なら上手くやっていけますでしょう。なので、亜矢様は脳のことだけを考えて安静にされてください」
……赤間さん。
話はすぐに私の脳の話へと移った。
「それはそうと、手術をなさるというのは本当ですか? あの女の先生は今すぐどうこうする必要はないとおっしゃっておられましたが……」