憧れの街で凄腕脳外科医の契約妻になりました。
15.ラグジュアリーな場所で授かった新たな命
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某国大使館のパーティーを終えて三カ月が経つ。ベリが丘の街で結婚式を挙げる計画を経てていた。
結婚式場にも電話をし、足を運んだ。結婚式を半年後に控えている。そんな中、最近体調が優れないでいた。
せっかく和登さんが朝食を作ってくれたにも関わらず、食欲がない。そして、眠いと感じることも多くなった。
「亜矢、大丈夫? 食べられそう?」
「スミマセン……体調があまり良くなくて……」
「無理しなくて良いよ。ゆっくり部屋で過ごそうか」
一口二口しか食べられなかった私の食器を下げる和登さん。
「亜矢、最近体温が高いって言ってたよね。今日も検温してみようか」
体温計を手に持ち私の脇に当ててくれた。
やっぱり今日も微熱だった。和登さんは体温計を見て首を傾げる。
「風邪かな?」
「多分、そうです……吐き気もしますし」