憧れの街で凄腕脳外科医の契約妻になりました。


 羽倉先生の後をついていくように寝室へ向かう。ベッドはとても大きく枕が三つほど置いてあった。

 正面にはリビングほどではないが、そこそこ大きい液晶テレビが備え付けられていて、壁に花の絵が飾ってあり、とても落ち着ける雰囲気だ。

 ベッド横のサイドテーブルにはアロマが置かれていた。そのためか、部屋の中に入るととても柔らかい匂いに包まれていた。

 羽倉先生は先にベッドに寝転び、もう既にリラックス状態だ。今思うと、マッサージしたいなんて咄嗟に言ってしまったけど、羽倉先生の体に触れるなんて、そんな許され難いことをしてしまってもいいんだろうか。

「亜矢ちゃん、おいで」

「は、はい! 失礼します!」

 ベッドの上に上がり、羽倉先生の元へ近づく。羽倉先生は色っぽい顔で私を見た。同時に私の心臓も早くなる。


 誤魔化すように、

「あ、あの! では、マッサージを! うつ伏せになってもらえますか?」

羽倉先生にうつ伏せになるようにお願いすると、私に背を向けてくれた。

「はい」

「では……お体の上に乗らせていただきます」


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