憧れの街で凄腕脳外科医の契約妻になりました。
6.半年間の契約結婚(和登side)
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亜矢にはなんとか理由付けて泊まってもらうことになった。
一週間経っても一緒にいる方法を模索しているけれど、思いつかない。彼女がいてくれる理由がない。
昨日の夜中、こっそり撮った寝顔の写メを見ながら今日も頑張ろうと気合を入れる。よりによって今日は当直で帰宅できるのは明日の朝だ。
連絡先は知らせてきたけど、俺は知らされてないし、連絡もきていないし、それまで一人ぼっちにさせてしまうのか。
用心のために仁田先生にメッセージを入れる。
【亜矢ちゃん僕の部屋に泊まってます。何かあったらよろしくお願いします】
何かあってからでは遅いが、心構えをするに越したことはない。
病院内に着き仕事開始の準備をする。
手術場に入ることが多い俺は紺色のスクラブを着用し、脱ぎやすい素材の白衣を羽織る。
その後ナースステーションに行き看護師がパソコン内に記載してくれている看護記録に目を通す。俺がオペをした脳血管バイパス術の患者さんはその後、合併症もなかったとのことだった。