再会した総長の溺愛は止まらない。
―― 1年前
私が中学3年生だった時のある夜。
コンビニに行く途中の公園のほうからと喧嘩をしている声が聞こえた。
そういう面倒なことには関わりたくないから、いつも通りのスルー。
私には関係のないことだし、ここら辺の地区では当たり前なレベルなんだ、喧嘩なんて。
コンビニから帰る途中さっきの公園の近くを通り、もう声は聞こえなかったから公園を通って家に帰ることにした。
公園を何事もなく過ぎようとした時、傷だらけで力なく座り込んでいる青年を見た。
「...........。」
いつもだったら放置していた、でも倒れているのが自分と同い年ほどの青年だと別。
近くに寄っても反応なし、暗くて怪我がどれくらいなのかがわからない。
「...はぁ」
自分のお人好しにもあきれるほどだ。
携帯のライトで傷の具合を確認する。
深い傷もあるけど、浅い傷がたくさんある....よけたのかな
小学校の時からずっと続けてきた保健委員の仕事ぶりを発揮できる時がやっと来た。
バックからティッシュを取り出し水に浸して顔周りの傷をふこうと思った時、青年が私を抱きしめてきた。
「...っ、離れてもらわないと傷ふけないんですけど?」
あまり男の人に免疫がない私は少し驚いた。
ここでパニクったら、かっこよく助けた意味がないじゃん。
そう思いながら、傷をふき絆創膏を貼った。
さっきからずっとこっちを見てるのは気のせいかな
「.......あんまり見られるの好きじゃないんですけど、」
彼はハッとしたのか、すぐ目を逸らしてきた。
ごみを捨てに行こうと思い、青年に背を向けて歩いこうと思った時、
「ま、て....どこ行く」
背後から聞こえた低い声に驚いて思わず振り返った。
「...ぇ、あ、ごみを捨てに行くだけだよ...それがどうかしたの?」