仮定法過去の恋〈下〉
「決めました。みっつめの赤色の花が描かれたので」



おおと店員と陽菜の声が重なる。



選んだ浴衣を包みながら店員は教えてくれた。



「この赤い花は椿と言ってね、冬に咲く花なの。そして、赤い椿の花言葉は『控え目なすばらしさ』よ」



「控えめなすばらしさ……」 



凛として、いつも大人っぽい舞子さんにぴったりだと思った。
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