仮定法過去の恋〈下〉
帰り道、陽菜は前を見たまま聞いた。




「話したくないなら、いいよ。うちがそう感じただけだから」



陽菜は世話好きなだけで、お節介焼きではないのだ。



浴衣を選ぶときも何も言わなかったし(本人は他人が買うものに責任を取れないから何も言わないと言っていたけど)、

今だって必要以上に詮索しようとはしない。




恭平は素直な陽菜に好感が持てた。
< 15 / 76 >

この作品をシェア

pagetop