仮定法過去の恋〈下〉


「何やってるのかな君たち」

混乱している恭平の均衡を破るように近づいてきたのは佐藤だった。





「もうHR始まってるよ。ふたりで逢引きかな」



優しい口調ながら咎める目つきであった。




「あ、あの、これおばあちゃんなんです」



誤魔化すように、陽菜が写真を指差した。

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