仮定法過去の恋〈下〉

「恭平、『仮定法過去』の文法覚えてるか。あのとき、聞いたよな。『もし』ってことが先生の中にもあるかって。




If there hadn't been you , I wouldn’t have lived honestly.」

――もしあなたに出逢ってなければ、私は正直に生きられなかったでしょう。





今度こそ、佐藤は立ち去った。





駆けていく思い出と募りすぎた思い。

自分がこんなにも舞子さんを中心にしていることに愕然とした。








もう後戻りはできなかった。






「舞子さんに会いに行くよ」



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