仮定法過去の恋〈下〉

「だってさ、着物屋なんて行ったことないでしょ。男子ひとりでってハードル高くない?」



「たしかに」



「勉強も終わりにしようと思ってたから、行っちゃお」




陽菜に指摘されなければ、お店の前でうろうろと立ち往生してしまっていたかもしれない。



陽菜の真っ当な指摘と、ついて来てくれる優しさに恭平は感謝した。
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