【短編】クールな幼なじみと紡ぐロマン
「じゃあ今飲み物持って行くから、ゆっくりして行ってね」
「はい、ありがとうございます」

 そんな二人の会話を聞きながら、私は玲衣くんを部屋に案内する。
 部屋で話をするなんて、小学生以来だな。
 そう思ったら、ちょっと緊張してきちゃった。

 お母さんがジュースを持ってきてくれていなくなると、さっそく一口飲む玲衣くん。
 その姿もなんだか様になっていてカッコイイなぁってつい見ほれちゃった。

 小学校のころからカッコイイって言われるときがあったけど、中学生になって剣道部にも入って……イケメン度がさらに上がったんじゃない?
 モテてるんだろうなって思ったら、なんだか玲衣くんが遠い存在になったような気持ちになる。
 今はこんなに近くにいるのに、何でかさびしいって思った。

「でさ……莉緒の小説読んだよ」
「っ! ど、どうだった?」

 さっそく本題に入る玲衣くんの言葉で現実に引きもどされる。
 覚悟を決めて感想を聞いた。

「まあ、字下げしてたりしてなかったり、三点リーダー一個しかなかったりとか小説を書く上でのルールはメチャクチャだったかな?」
「じ、字下げ? 三点リーダー?」

 えっと、字下げって多分地の文の初めにひとマス空けることだよね?
 三点リーダーは、たぶん点が三つ並んでる記号のこと。
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