【短編】クールな幼なじみと紡ぐロマン
「じゃあまずはプロットだな。コンテストの詳細ページには『きらめく恋のお話を募集(ぼしゅう)します』って書いてあるけど……莉緒、書きたい話ある?」
「……うん、書いてみたいお話はあるよ。書くとしてもまだ先かなって思ってたけど、コンテストに出すならそのお話がいい」

 さっそくコンテスト用の作品のプロットの話をする玲衣くんに、私は少し考えてうなずく。
 ちゃんと書きたいから、もっと上手くなってからって思ってた。
 でも、私にとっての『きらめく恋のお話』はこれしかないから。

「じゃあ、来週までにプロット作れるか?」
「うん、頑張ってみる」

 ドキドキと、色んな意味で高鳴る胸に手を当ててうなずいた。

***

「へえ、やっぱりコンテスト応募することにしたんだ?」
「うん、プロットのチェックとか下読みをしてくれてる幼なじみに説得されちゃって」

 休み明け、さっそく紗香に報告した。
 コンテストに応募なんて無理だって言ってたのに、結局応募することになったから苦笑いで伝える。

「いいんじゃない? やっぱりチャレンジしてみないと!」
「そ、そうだよね!」

 グッと親指を立てて『いいね』のジェスチャーをしてくれた紗香。
 玲衣くんに言われたからやってみようって感じもあったけれど、紗香の言葉でなおさら頑張ろうって思えた。
 そうだよ。チャレンジすることも大事だよね!

「え? もしかして莉緒ちゃんもあの『ラブベリー』の短編コンテストに応募するの?」
「っ!?」

 私が意志を固めていると、話が聞こえていたらしい美乃梨ちゃんの声が聞こえた。
 思わず警戒(けいかい)していると、案の定美乃梨ちゃんの友だちが次々と私に嫌味を言って来る。
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