【短編】クールな幼なじみと紡ぐロマン
「ドキドキさせるどころか、意味わかんないって言われるような小説なんだよね……」
つぶやきながら涙がにじんできた。
こんなことなら書かなきゃ良かった。
部屋に行ったら、すぐにあの小説は消しちゃおう。
そしてもう小説なんて書かない。
読んでるだけで、十分楽しいもん。
ギュッとくちびるを引き結んで、悲しい気持ちをのみこんだ。
そうして早く家に入ろうと門扉を開けたとき――。
「莉緒? どうしたんだ?」
「え?」
少し離れたところから声をかけられて、おどろいた私は涙をにじませたまま相手の顔を見た。
となりの家の門扉に手をかけてこっちを見ている眼鏡の男の子。
目元が涼し気で、クールな印象の彼は幼なじみの千賀玲衣くんだ。
家がとなり同士で、同い年。
物心つく前からよく一緒にいて、玲衣くんが中学受験で別の中学に行くまでは学校にも一緒に登校するくらい仲が良かった。
でも学校が別々になったら一緒に登校なんて出来ないし、それぞれ部活とかにも入ってるから会うこともほとんどない。
剣道部に入ってるらしい玲衣くんは、二年になった今では団体戦メンバーに入るくらいの実力らしい。
休みの日も練習試合でいそがしいらしいって話をお母さんから聞いたことがある。
だから会うのもかなり久しぶりなんだ。
つぶやきながら涙がにじんできた。
こんなことなら書かなきゃ良かった。
部屋に行ったら、すぐにあの小説は消しちゃおう。
そしてもう小説なんて書かない。
読んでるだけで、十分楽しいもん。
ギュッとくちびるを引き結んで、悲しい気持ちをのみこんだ。
そうして早く家に入ろうと門扉を開けたとき――。
「莉緒? どうしたんだ?」
「え?」
少し離れたところから声をかけられて、おどろいた私は涙をにじませたまま相手の顔を見た。
となりの家の門扉に手をかけてこっちを見ている眼鏡の男の子。
目元が涼し気で、クールな印象の彼は幼なじみの千賀玲衣くんだ。
家がとなり同士で、同い年。
物心つく前からよく一緒にいて、玲衣くんが中学受験で別の中学に行くまでは学校にも一緒に登校するくらい仲が良かった。
でも学校が別々になったら一緒に登校なんて出来ないし、それぞれ部活とかにも入ってるから会うこともほとんどない。
剣道部に入ってるらしい玲衣くんは、二年になった今では団体戦メンバーに入るくらいの実力らしい。
休みの日も練習試合でいそがしいらしいって話をお母さんから聞いたことがある。
だから会うのもかなり久しぶりなんだ。